今日はとても珍しいことに他のお客もいた。日頃から対戦している槌使いの実力は、それなりのものということを肉眼確認できた。己は、信じる度合いが浅瀬でちゃぷちゃぷな、どこかの曜変天目茶碗の自称専門家とはわけがちがう。自分の目で真贋を確かめられないなんて、胡散臭いにもほどがある。
普段から、釉薬(うわぐすり)とまちがえて恥を塗っているんじゃないのか。くははっ! どうやって生計を立てているのか知り……たくはねぇな。たぶん、愉快なことではないであろ。
閑話休題。
ハンマー使いは、見事にメイドのナイフ使いを叩きのめした。そうこなくっちゃ! まっ、それでも己がたましいをこめた剣の足元にも及ばないが。戦いの残滓にすぎない数値でいえば、30勝する間に5敗するくらい。常に完勝する気でいるから、まだまだ研鑽がたりない。
遊びのゲームを本気でやると良いこと尽くめ。危険を承知の上で繰りだす大ライジングスラッシュ(※正式名称はいまになって判明。
ちょっとださくないか?)で狙い斬る! いくらぶった斬ってもお咎めなしのとんかちと出会えたから、たのしくてしかたがない。次の未来と定めた大好きなボードゲームシリーズの新作が発売されるまで、どうやら退屈せずにすみそうだぜ。名前もしらないあいつのために、次の策を考えよう。