諸手を挙げて歓迎はしないが、人生だから災難が来てもかまわない。なんの変化もない日常なんて絶望。けれど、もうすこし遠慮してもらえないか。せめて、いちど難が去ってからにしてもらいたい。無理難題が殺到して押しよせてきては、さばききれない。
へやの景色や、そとの風景は、以前とかわらない。しかし、己が気づかない場所の裏でひっそりと何かが進められているようで、ついついカメレオンのめだまのようにぎょろぎょろと見渡してしまう。くははっ……こいつは凶。あまりよくない傾向だぜ。
ちょいと動転していて、こころのおけない人に指摘されるまで、愛用のEIZOの液晶モニターが故障している可能性に気がまわらなかった。即座に否定されたが。密度の高い漢字が……。己が知る色の世界が書き換えられていく……。
阿呆まっさかりのころに、なんでもネットで検索できるし、記憶して知識をデータベース化しなくてもいいんじゃないか? 引き出しを開ける速さを判定する試験方式をつくってもいいのでは? なあんて、稚拙な発想を抱いていたこともあった。
もちろん、いまとなってはわらい話だ。今昔の愚者としかいいようがない。
平時の業務ごとき、こなせて朝飯前。一刻を争う緊急事態では、いちいちネットに頼っている暇なんかねぇ! そんな奴は、最悪の場合に放棄して逃げだすかもしれない。とてもじゃないが、隣の席には配置しておけないな。まっ、己にはそんな人事権はないけれどね。
いまがその緊急事態。同じ災なら、息災の方がいいであろ。
EIZO (2014-07-11)
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