公園走5歩5。
公園の入り口で、か細い声が聞こえる。外灯の下に小さな影。灰をひっくり返してかぶせたような色をした子猫がいっぴき佇んでいた。
走る前の柔軟体操をしていたら子猫が足元にすりよってきた。公園にいる猫は、警戒心が強くて人にはよってこない。おなかがすいたよー。切実に困っている猫だけがよってくる。
かわいらしさに思わず触れて、頭をなでて、のどをごろごろさすってやりたくなったが、寸でのところでこらえた。たべものを施せるわけでもなし、ましてや飼うことなんてできやしない。人にだろうが、子猫にだろうが、無責任に手を差し伸べてはいけない。
ごめんなと一言こころの内であやまって、いつもの日課をこなしてきた。